2011年8月13日土曜日

14年 金鯱vsタイガース 2回戦

4月10日 (月) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 5 6 金鯱      5勝6敗 0.455 古谷倉之助 磯部健雄 中山正嘉
0 0 0 0 2 0 0 0 1 3 タイガース 7勝6敗 0.538 西村幸生 若林忠志


勝利投手 中山正嘉 4勝2敗
敗戦投手 西村幸生 1勝2敗


二塁打 (金)野村


磯部健雄、幻の1勝


 タイガースは打線を入れ替えて富松信彦を一番に起用、三番景浦将、四番松木謙治郎、五番ジミー堀尾文人のクリーンナップに組み替える。

 タイガースは初回、先頭の富松が右前打で出塁するが本堂保次、景浦、松木が三者連続右飛に倒れる。2回も先頭の堀尾が右前打、一死後広田修三が左前打を放つが後続無く、3回は三者凡退。4回、松木四球、堀尾二失で無死一二塁、伊賀上良平の三ゴロで松木は三封、広田の左翼線ヒットで一死満塁、しかし西村幸生の三ゴロは「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

 タイガースは5回、先頭の皆川定之が四球で出塁、トップに返り富松の遊ゴロをショート瀬井清がエラーする間に皆川が三塁に進み無死一三塁、ここでダブルスチールを決めて1点を先制、本堂の三ゴロで富松は三塁に進み、景浦の三ゴロをサード五味芳夫がエラーする間に富松が還って2-0とする。

 金鯱は6回、先頭の佐々木常助が三塁に内野安打、五味に代わる代打長島進は三振に倒れるが瀬井が四球を選んで一死一二塁、小林茂太の投ゴロをピッチャー西村が悪送球する間に佐々木が還って1-2と1点差に詰め寄る。

金鯱は6回から先発の古谷倉之助に代えて二番手として磯部健雄をマウンドに送る。磯部は6回、7回を三者凡退に抑え、8回、先頭の松木に右前打を許すが堀尾を三ゴロ併殺、伊賀上を左飛に退ける好リリーフを見せて味方の反撃を待つ。

 西村幸生は8回まで2安打3四球で6回の1点だけに抑える好投を見せていたが9回、突然崩れた。

 金鯱は9回、先頭の小林茂が三塁に内野安打、古谷の後の五番に入っている磯部が一塁線に送りバントを決めて一死二塁、野村高義が右翼線に同点タイムリー二塁打を放って2-2、武笠茂男が左前打から二盗を決めて一死二三塁、岡野八郎に代わる代打中山正嘉四球で一死満塁、浅井太郎に代わる代打荒川正嘉の右前タイムリーで3-2と逆転、トップに返り佐々木の投ゴロを西村がエラーする間に武笠が還って4-2、山本次郎がスクイズを決めて5-2、山本のバントは内野安打となってなお一死満塁、瀬井が押出し四球を選んで6-2として西村をKO、代わった若林忠志は小林茂、磯部を連続三振に打ち取りスリーアウトチェンジ。

 タイガースは9回、先頭の広田が四球を選ぶと金鯱は磯部から中山正嘉にスイッチ。若林の二ゴロをセカンド浜崎博がエラー、皆川に代わる代打青木正一は三振に倒れて一死一二塁、金鯱はここでセカンドを浜崎から永井正尚に交代、富松四球で一死満塁、本堂の一邪飛で三走広田がタッチアップからスタートを切ってホームイン、3-6としてバッターは景浦将、一発出れば同点の場面であったが景浦の三ゴロで富松が二封されてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

金鯱は合計17人を注ぎ込んでタイガースを破り二連勝。逆にタイガースは三連敗となった。


 この試合の殊勲甲は6回からの3イニングを無失点に抑えて味方の大逆転に結び付けた二番手ピッチャー磯部健雄である。現行ルールでは磯部に勝利投手が記録されるが公式記録では三番手の中山正嘉に勝利投手が記録されている。戦後の見直し作業ではスタルヒンのこの年の42勝を40勝に訂正し、昭和36年に稲尾が42勝した時にスタルヒンの記録が問題となり、当時のコミッショナー裁定により記録された当時の記録が尊重されて42勝に戻された。磯部健雄の場合は通算0勝1敗で引退することとなるので、本日の「幻の1勝」は、通算303勝のスタルヒンよりも寧ろはるかに影響が大きい。記録の訂正を求めるつもりはありませんが、当ブログからは磯部健雄投手に勝利投手賞を進呈させていただきます。磯部健雄の通算成績は実は1勝1敗であったということになります。




*現行ルールでは磯部健雄に勝利投手が記録されるが公式記録では中山正嘉に記録されている。




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