2011年7月14日木曜日

14年 阪急vsライオン 1回戦

3月19日 (日) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 阪急    0勝1敗       0.000 浅野勝三郎 重松通雄 荒木政公
6 0 0 0 1 0 0 0 X 7 ライオン 1勝0敗1分 1.000 福士勇


勝利投手 福士勇        1勝0敗
敗戦投手 浅野勝三郎 0勝1敗


二塁打 (阪)日比野 (ラ)福士
三塁打 (ラ)玉腰


福士勇、1安打完投デビュー


 ライオン先発の福士勇は昨年の入団であるが本日がプロ入り初登板。

 阪急は初回、先頭の西村正夫が四球で出塁、フランク山田伝が送りバントを試みるが守備妨害を取られて一死一塁、山下実も四球を選んで一二塁とするが山下好一は中飛、上田藤夫は遊ゴロに倒れる。初登板の福士は2四球を出しながら何とか持ちこたえる。

 ライオンは初回、先頭の坪内道則は三振に倒れるが二番キャッチャーに抜擢された米子中学・関西大学出身のルーキー岡本利之が三塁線に絶妙のセーフティバントを決めて出塁、水谷則一の右翼線ヒットで一死一三塁、鬼頭数雄の左犠飛(今年から犠打として記録される予定であるがまだ準備が整わず公式記録は凡打扱い)で1点を先制する。玉腰年男が一二塁間を破って水谷は三塁に走り二死一三塁、山本尚敏の三塁内野安打で2-0、玉腰が三盗を決めて南海から移籍してきた西端利郎四球で二死満塁、松岡甲二が押出し四球を選んで3-0として阪急先発の浅野勝三郎をKO、二番手に重松通雄がマウンドに上がる。しかしその代わりばなを福士が左中間に二塁打、三人の走者が相次いで還って6-0とする。

 自らのバットで楽になった福士はスイスイと投げて7回まで4四球を与えただけで無安打無得点を続ける。

 ライオンは5回、一死後玉腰が右中間に三塁打、山本の遊ゴロをショート下村豊が本塁に悪送球する間に還って7-0とする。阪急は6回から海星中学・門司鉄道局出身の期待のルーキー荒木政公が登板して3イニングを1安打1四球1三振無失点に抑える。

 阪急は8回、この回先頭の東邦商業出身の後に名捕手となるルーキー日比野武が左中間を破る二塁打を放ってようやく初安打、荒木の二ゴロで三進、西村の二ゴロの間に日比野がホームに還り1-7とする。昭和34年に引退するまで1,048安打、336得点を記録することとなる日比野のプロ入り初ヒットと初得点のシーンである。

 福士勇は1安打4四球1三振の完投でプロ入り初登板を1安打ピッチングで飾る。打っても満塁走者一掃の二塁打を放ち3打点。1987年8月9日、中日の近藤真一がプロ入り初登板でノーヒットノーランを達成するが、それまでのプロ入り初登板記録としては福士の1安打ピッチングが最高であろう。


 荒木政公はジャイアンツ、タイガースとの争奪戦の末阪急入りした逸材。ジャイアンツは荒木詣でのついでに熊本まで寄って吉原正喜と川上哲治を獲ったのである。長崎の方の海星出身のプロ野球選手としては、野手では池辺巌(ロッテ、阪神等)、平田勝男(阪神)、堀幸一。投手では峰国安と何といってもサッシーこと酒井圭一となる。峰はジャイアンツの打撃投手時代は王貞治の専属として「王の恋人」と呼ばれ、ハンク・アーロンとの本塁打競争の時も王に投げたピッチャーは峰であった。酒井は私と同学年で、江川より速いとしたら酒井か鈴木孝政だけだったのではないかと思う。峰は通算7勝、酒井は通算6勝に終わるので、通算9勝の荒木政公が長崎・海星出身投手としては歴代第一位の勝星をあげたこととなる(2011年現在)。現西武の左の中継ぎ松永がこれまで6勝しているので抜く可能性があります。但し荒木政公の記録が9勝で止まっているのは今年限りで兵役にとられ戦病死することとなるからです。




          *福士勇が1安打完投でデビューを飾る。

0 件のコメント:

コメントを投稿