１３年秋 セネタースvsジャイアンツ ５回戦

11月5日 （土） 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 1 1 0 0 0 0 3 セネタース 　 １６勝１８敗１分 0.471 伊藤次郎 金子裕
2 1 1 0 2 1 1 0 X 8 ジャイアンツ ２３勝６敗１分    0.793 前川八郎

勝利投手 前川八郎 ３勝２敗
敗戦投手 金子裕 　 ８勝８敗


三塁打　（セ）伊藤
本塁打　（ジ）中島　１０号　（セ）森口　１号　

前川八郎、投打に活躍


　ジャイアンツは初回、一死後白石敏男が左翼線にヒット、千葉茂は中飛に倒れて二死一塁、中島治康がツーボールからの3球目を左翼スタンドに第10号ツーランホームラン、2点を先制する。この打席で中島は今季通算125打数50安打、打率4割となった。イーグルスは先発の伊藤次郎をレフトに回し2回から金子裕をリリーフに送る。

　ジャイアンツは2回、この回先頭の前川八郎がストレートの四球で出塁、八番サードで先発出場した井上康弘が右前にヒットを放って無死一三塁、吉原正喜の三塁内野安打で3-0とする。
一死後白石の三ゴロをサード磯野政次がエラーして満塁、しかし千葉の二ゴロは苅田久徳-今岡謙次郎-遠藤忠二郎と渡ってダブルプレー。

　セネタースは3回、一死後苅田がストレートの四球で出塁、森口次郎の左翼線ヒットで一死一二塁、北浦三男が中前にタイムリーを放って1-3と追撃開始。

　ジャイアンツは3回裏、中島四球、伊藤健太郎左前打で無死一二塁、ここで川上哲治が極めて珍しい送りバントを投前に決めて一死二三塁、前川の右犠飛で4-1と突き放す。

　セネタースは4回、一死後伊藤次郎が左中間に三塁打、金子裕の二ゴロの間に伊藤が還って2-4とする。更に5回、一死後森口がライトスタンドにホームランを放って3-4と詰め寄る。

　しかしジャイアンツは5回裏、この回先頭の千葉が四球で出塁、中島は三飛に倒れて四割を割り込み（3割9分7厘）伊藤健太郎が左前にこの日3本目のヒット、4回から川上に代わってファーストに入っている永澤富士雄の右前打で一死満塁、前川が中前に2点タイムリーを放って6-3と突き放す。

　ジャイアンツは6回、先頭の三原脩が中前打で出塁、白石は右飛に倒れるが千葉四球、中島の右前打で一死満塁、伊藤健太郎がこの日4本目のヒットをライト線に放って7-3。中島はこれで127打数51安打となって打率は4割2厘となった。更に7回、前川、井上連続四球で無死一二塁、吉原の二ゴロはこの日2回目の4-6-3のゲッツーとなり二死三塁、三原の三ゴロをサード磯野がエラーする間に三走前川が還って8-3として試合を決める。

　前川八郎は6安打3四球5三振の完投で今季3勝目、打っても2打数1安打2四球2得点3打点の活躍であった。なお、3回の右犠飛は当時は公式記録では犠牲フライが記録されていませんので凡打扱いとなっており、現行ルールでは1打数1安打で打率10割となります。

　セネタースは森口次郎が4打数4安打1本塁打であったがチーム安打数は6本。ジャイアンツでも伊藤健太郎が5打数4安打であったが回りも良く打ってチーム安打数は12安打。当然この差が得点差となった。中島の第四打席は中飛に終わり、128打数51安打、打率は3割9分8厘で本日を終えた。




　　　　　　　　　　＊川上が第二打席に記録した世にも珍しい犠打